シンプルな中に職人技がつまった 神戸屋のフランスパン

神戸屋の人気パンの秘密に迫る 「フランスパン編」

フランスパンは、小麦粉・水・パン酵母・塩のみで作るとてもシンプルなパン。
それだけに、おいしく作るには原材料の配合から成形、発酵、焼き……すべての工程において職人の技術力が求められるパンでもあります。

神戸屋には「バゲット」と「バタール」の2種類があり、どちらも定番人気商品。
ここでは、神戸屋の「バゲット」と「バタール」のおいしさの秘密、おすすめの食べ方からこれらと同じパン生地を使った「ケーゼブロート(チーズ入りのフランスパン)」まで、たっぷりとご紹介します。

教えるのはこの人
フランスパンの匠・長田有起

1998年の入社以降、フランスパン職人として研鑽を積む。「ベーカリーワールドカップ2012」の日本代表メンバーとして出場して総合優勝、「マスター・ド・ラ・ブーランジュリー2014」(※)のパン部門で個人優勝を果たす。現在はマーケティングディビジョンのディビジョンマネージャーとして、新商品の企画・開発に携わるほか、社内向け技術講習会の講師も行っている。「おいしいパンは人を幸せにしてくれます。“よりよいパンを作りたい!”という想いを原動力に、日々研究を続けています」

※「ベーカリーワールドカップ」から派生した、個人を対象として開催されるパン職人コンテスト。

「バゲット」と「バタール」のおいしさの秘密に迫る

Q:「バゲット」と「バタール」、それぞれのパンの特徴について教えてください。

A:どちらも原材料と製法は同じです。「バゲット」は、フランス語で「杖」の意味。細長い形で、表面はパリッとした食感で歯切れがよく、香ばしいのが特徴です。「バタール」は、バゲットよりも太くて短い形で、軽い食べ心地と甘みを感じる内側の生地が特徴。

実は1本あたりの生地量や焼き上がった後の重さはほとんど一緒なので、細長く焼き上げることで表面の食感を楽しむのが「バゲット」、やや太く焼き上げて内側のふわふわ食感を楽しむのが「バタール」だと考えています。


Q:神戸屋ならではの原料のこだわりを教えてください。

A:小麦の香りが感じやすい「フランス産小麦粉」と、軽い食感が出やすい「フランスパン専用粉」の2種類を、独自の配合でブレンドしていることです。2種類をブレンドすることで、軽い食感の中に、小麦粉の風味と甘みを感じられる生地になります。

Q:パンに入った切れ込みは、おいしさとどのような関係があるのでしょうか?

A:切れ込みは、専用の器具(刃)を使って入れる「クープ」と呼ばれるもので、「バゲット」や「バタール」づくりには欠かせないものです。クープを入れることで、そこから水分が抜けて、生地が膨らみ、軽い食感が生まれます。神戸屋では、「バゲット」に7本、「バタール」に3本のクープを入れています。

ちなみに、新商品を考える時は、どんな食感のパンに仕上げたいかでこのクープの本数を変えています。生地に刃を入れる角度も重要なので、パン職人は自分専用のクープナイフを持っていることも多いです。


Q:よりおいしく焼き上げるために気をつけていることは?

A:原材料を混ぜ合わせてこねた生地は、焼き上げるまでに合計6時間ほど発酵させます。他のパンと比べても時間がかかりますが、フランスパンの場合、この発酵の工程が特に大切です。そして、成形の際は生地が痛んでしまわないように、できるだけ生地に触らないようにしながら手早く成形します。店頭に並んだ時の見た目も大事だと考えているので、神戸屋では「バゲット」は約60cm、「バタール」は約40cmの長さになるように揃えています。

Q:「バゲット」と「バタール」、それぞれのおすすめの食べ方はありますか?

A:ふたつとも、お米のように日常の食卓で主食となるパンです。何にでも合うように作っているので、シンプルにバターを塗ったり、シチューやスープ、アヒージョと合わせたりしてもおいしく食べられます。

サンドイッチにする場合は、表面がパリッと香ばしい「バゲット」にはハム、ベーコン、ローストビーフなどのお肉系を、より内側の生地を楽しんでいただきたい「バタール」には野菜や卵など軽い食感の食材をはさむと、それぞれのパンの食感や風味とよく合いますね。


Q:フランスパンをリベイクするときのコツを教えてください。

A:パンの表面を少し濡らし、高温・短時間で温め直すといいでしょう。(大きさにもよりますが、トースターで約3分程度)。パンは温めることでやわらかくなるので、水分が飛びすぎないように、焼くのではなく温め直すという感覚です。

芳醇なチーズがたっぷり 「ケーゼブロート」

「ケーゼブロート」は、ドイツ発祥のチーズ入りのパン。神戸屋では、「バゲット」や「バタール」と同じ生地を使ってつくっています。

生地の中には、程よいクセと香り、塩味のオランダ産ゴーダチーズがたっぷり。
表面にかかったナチュラルチーズも香ばしく、食欲をそそります。
お好みの厚さにスライスして、トースターで軽く焼いてから食べるのがおすすめです。

「神戸屋レストラン」で焼きたてのフランスパンを味わえます

東京と兵庫の郊外に計7軒ある「神戸屋レストラン」。
各店舗ではパン工房を構え、粉をこねるところからパンづくりを行っています。
焼き上げたパンは、「窯だしパン」と称して店内でご提供しており、アンチョビとガーリックの香りがたまらない「ぷりぷり海老のアヒージョ」や「じっくり煮込んだ特製ビーフシチュー」などは、特に「バゲット」や「バタール」と相性抜群。
ぜひ、焼きたてパンの香りが漂う店内で、神戸屋のおいしいパンを、こだわりの洋風メニューとともに味わってみませんか?

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